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2016年10月02日(日)  【将棋】将棋の魅力
世の中には色々な趣味があり、それぞれで魅力も異なってくる。また何が魅力かも人それぞれだろう。少し将棋の魅力の一面に触れたい。

ひと昔前、コンピュータ将棋はとにかく弱かった。ファミコン初の将棋ソフトは記憶が不確かだが、確か内藤九段の名前を冠したセタのソフトだったと思う。少し将棋をかじったぐらいの人ならまず負けることはなく、「コンピュータが将棋のプロに勝つ」というのは夢物語だった。

それが急速に進化したのは2000年代だったかと思う。その辺のアマチュアはあっという間に歯が立たなくなり、私もレベルを落とさないと全く勝てなくなった。プロですら2010年代には全力で対戦しても勝てない状況に至った。現在、プロの試合でも、解説のプロ棋士では無く、試合を観戦しているアマチュアが操作するコンピュータの方がよほど正確に候補手を読めるというのが実情である。

では将棋はコンピュータのものになったかというとそういうわけではない。車の方が早いからマラソンが廃れたというわけでは無いのと同じく、コンピュータの存在を前提としたステージに将棋というものが移行し、新しい魅力が生まれたと言ってよい。

プロ棋士は日々将棋の研究を重ねているが、コンピュータを利用した研究が日常的になっている。特に有名なのは千田翔太棋士だろう。そうした研究の中から今まで全く考えられなかった手が出てきたり、既に廃れた手筋が見直されたりする。我々素人はそうした手に驚きつつ、その手が成立している・していないを、コンピュータの力を借りつつ外野からやいのやいの談義することができる。

また当然のことながら試合中の人間はコンピュータに頼ることはできない。お互いが自分の気力・知識・経験のみを頼りに戦うことになり、そこには様々な人間ドラマが生まれる。先日の羽生王位に木村八段が挑んだシリーズは、木村八段がやむなく敗退となったが、その最後の戦いの様子や記事は思わずこちらも涙ぐむものであった。

最後に、将棋は理論的には先手または後手が必勝というゲームであるが、2016年現在ではまだどちらになるかわかっていない。少なくともそれが分かるまでは、ゲームとして楽しめるだろう。
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