10/5に王座戦第3局が開催され、羽生三冠が勝利しタイトルを防衛した。これで棋戦のタイトル獲得・防衛は計97期となった。
97期となれば、3期獲得・防衛で100期となる。「もう残り3つ」という言い方もできるが、よく考えるとこのように言われるということはとてつもなくすごいことである。
将棋のプロになるにはいくつかの登竜門があるが、その門の前に立つ時点で(年齢問わず)各県のトップ程度の実力が必要である。その辺の素人では全く相手にならない。登竜門をくぐれば自分自身と同じような、なかにはそれを突き抜けたような実力を持った人間との戦いで揉まれるのである。プロになれるのは年数名、大半の人間はプロになれず立ち去らざるを得ないのである。
晴れて将棋のプロになったとしても、同じような経歴をたどった200名程度のプロと、もみ合い勝ち抜かなければならないのである。そこそこの成績ではとてもタイトル挑戦とはならず、タイトル候補になるだけでも相当すごいことである。ましてやタイトル戦はそのタイトル保持者へ挑むわけだから生ぬるい戦いになることは決して無いのである。
こう考えると「タイトル、もう残り三つだよね」というような表現は軽々しく言えるはずも無いはずである。
にもかかわらず、そう表現されるのが羽生三冠である。その偉業が達成されることを一ファンとして期待したい。 | |