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2017年06月09日(金)  【高等教育】大学職員フォーラムを振り返る
このたび、高等教育研究会が諸般の事情により解散することになった。
http://www.bekkoame.ne.jp/ha/shes/

この研究会には10年ほどお世話になったが、一つの大きな活動は年1回の大学職員フォーラムである。そのうち、自分がコーディネーターを務めた回について備忘録として簡単に記載しておく。

2011年度第15号「この20年、変わったモノ・変わらないモノ・変えねばならないモノ」



  1. 報告1.職員力向上の課題:大島英穂氏(立命館大学)
  2. 報告2.熊本大学における事務改革:坂田親信氏(熊本大学)
  3. 報告3.今後のSDを展望する―大学コンソーシアム京都SD研修委員会の活動経験を通して―:福岡正蔵氏(京都精華大学)

2012年度第16号「教育の質的転換に向けた大学教職員の役割」



  1. 基調報告 大学改革実行プランと大学教育の質的転換について:小山田享史氏(文部科学省)
  2. 話題提供1. 大学職員の人材育成と能力開発 −これまでの取り組みとこれからの課題―:秦敬治氏(愛媛大学)
  3. 話題提供2. 教育の質的転換に向けた取り組み 〜中央教育審議会(2012年8月28日)答申への京都産業大学の対応〜:森洋氏(京都産業大学)

2013年度第17号「大学職員個人の自発的活動・ネットワークはどのように大学を変えるのか?〜公的な組織・業務に対する個人の視点・ネットワークでの仕掛けを考える〜」



  1. 基調報告 組織変革につながる自主的活動とは:安藤史江氏(南山大学)
  2. 話題提供1. 大学職員個人の自発的活動・ネットワークはどのように大学を変えるのか?―九州地区の国立大学職員のある小さな経験から―:末次剛健志氏(佐賀大学)
  3. 話題提供2. ある公立大学職員の自発的活動報告事例:宮林常崇氏(首都大学東京)
  4. 話題提供3. つながりを重視する職員の自発的活動―京都産業大学「むすび塾」の取り組み―:中原正樹氏(京都産業大学)

2015年度第19号「今後の大学職員の役割と課題−大学職員における『高度専門職』の議論をめぐって−」



  1. <基調報告>「専門的職員」、「高度専門職」をめぐる検討経緯と日本の大学職員の「専門性」:菊池芳明氏(横浜市立大学)
  2. <話題提供1>職種を超えた協働を目指して−京都大学URAの事例−:天野絵里子氏(京都大学)
  3. <話題提供2>今後の大学職員の役割と課題−教職課程の事務業務を事例として−:小野勝士氏(龍谷大学)
  4. <基調報告及び話題提供に対するコメント>徳永寿老氏(大学コンソーシアム京都)

2016年度第20号「SDにおける個人・現場と組織の関係を考える─政策としての『SDの義務化』を受けて─」



  1. <基調報告>私のSD体験−嫌悪と憤怒からの出発−:横田利久氏(関西国際大学)
  2. <話題提供1>名城大学における職員研修の取組み−学習者の変化を目的とした研修開発−:鶴田弘樹氏(名城大学)、職員の成長が大学の成長へ−人材育成の本質からみる職員育成−:檜森茂樹氏(名城大学)
  3. <話題提供3>龍谷未来塾の可能性と課題−自己研鑽型SD活動の試み−:岡田雄介氏(龍谷大学)・原田正誓氏(龍谷大学)・進藤弘樹氏(龍谷大学)
  4. <話題提供4>学生と職員による協働−キャンドルナイト−主体的取り組みにおける学生の成長と職員の役割:榎並基仁氏(追手門学院大学)

どれもこれも感慨深く、個別にコメントしたいことも多いのだが、全てを振り返って、共通した視点を抜き出しておく。それは「環境・社会(制度・政策)の変化があり、その変化がもたらす刺激に対して、自発的な主体である個々の組織、そして個々人はどのように解釈・受け止めをし、そのうえで自発的な主体としてどのような活動を行っているのか」というものである。もちろん最初からそのような視点を意図していたわけではないが、振り返ってみればという話である。

ややくどくなってしまったが、ここで強調しておきたいのは「自発的な主体」という語である。

どのように一律的な影響(例えば大学設置基準の改正)であれ、それを自発的な主体が受け止めるのであれば、影響の現れは個々様々なものとなろう。0か1か、という見方をしてしまうのは余りにも単純化しすぎてしまうように思う。

少し話が飛ぶが、社会調査には主に量的・質的の二つのアプローチがある。自分自身は前者が苦手というわけではないので、検定で有意差を見たり、因子分析をしたりすることもよくある。ただ最近は、質的なアプローチもやはり重要で、「自発的な主体」に着目するのであれば、質的なアプローチにより拓かれるものはすごく大きいのではないかと思うところである。

フォーラムという形で自分の問題関心を切り開く機会は無くなってしまうが、引き続き調査などを通じて、「自発的な主体」に迫りたいと思う。
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